第10回 岸野祐也(東京大学 人体病理学 博士課程1年生)

今年度より大学院に入学し、「つなぐ」プログラムに参加させていただくことになりました。現在は国立国際医療研究センターで病理専門研修を行っています。昨年度初期臨床研修を終え病理の勉強を始めたばかりで、アトラスを見ながら実際の標本と格闘する日々を送っています。

病理の道に進むか臨床の道に進むかは初期臨床研修中も迷っていたのですが、病理診断が臨床に与える影響の大きさを感じる場面を多く経験し、病理の道に進むことに決めました。実際に病理診断をする立場になってみて、「この組織型と診断するかどうかで、臨床側の予後の説明の仕方が変わってくるのだろう」「この所見があるかどうかで、ステージ分類が変わって治療方針に関わるのだろう」など、臨床医や患者さんに与える影響の大きさと病理診断の重要性をますます感じています。病理専門研修を始めてまだ4ヶ月程度ですが、臨床に大きな影響を与える見逃しや過剰診断を私がしてしまい上級医の先生に訂正を受けることを既に何度も経験しており、勉強不足を痛感する毎日です。

また、国立国際医療研究センターにはエイズ治療・研究開発センターがあることから、HIV患者さんの検体も多く、思いもよらない感染症の組織像に遭遇することも多くあります。実際に患者さんに会うことはほとんどありませんが、病理診断においても常に患者さんの背景を考える必要性を感じています。

剖検については、近年件数が減少していっている中で、ご遺族が許可をくださって行うことができる貴重なものなので、身の引き締まる思いで行っています。臨床経過から予想されていた死因・病態と剖検所見から推定されるものが全く異なり、驚かされることも多いです。

「つなぐ」プログラムにおいて、順天堂大学・福島県立医科大学との貴重な交換交流ができるのを非常に楽しみにしております。多くのことを学び視野を広げていきたいと思っております。これからどうぞよろしくお願い致します。